今日は記念すべきジャズコンサートの第1回目に演奏して下さった石井彰さんからのお便りです。
もう2年近く前になりますが、演奏者たちと会場を包む 熱気に胸が高なったこと思い出しました。
ジャズもやって行ける!との実感がありました。石井さんありがとうございました。
「昨年から端を発した”コロナ騒ぎ”。この憎っくき得体の知れないエイリアンに、我々音楽や美術、芸術全般に関わる人々は多大な影響を受け続けています。
今後も直ぐに元に戻らないのかもしれません。この混沌とした世の中で、思い出される一昨年5月に「かねも」でのジャズコンサート。
巨匠佐藤允彦さんとのツインピアノ、そしてベーシストの金澤英明さんとのステージはこれまでにないものでした。
まずベーゼンドルファーというウイーンの名器とジャズとの邂逅はそんなにないということ。ジャズクラブのピアノと言えば、調整もされていない状態で引かねばならない事もしばしば。アップライトピアノが置いてあることも普通の事。
掛川のある静岡県は日本のピアノメーカーが集まっている事でも有名。
私はかなり前ですが磐田にあったベーゼンドルファーのショールームに訪れたことがあり、そこの2階にあるアンティークピアノの素晴らしいコレクションを目の前にして、その上、自由に弾いて良いという許可を得て、しばしその古の良き響きに時を忘れ途方に暮れたことがあり、その話を「かねも」に初めて訪れた際、調律師の福田さんにしたところ、そこが正に私の場所だった~という奇遇な展開にただならぬご縁を感じたのでした。
この格調高いお茶屋さん「かねも」のホールは、今では数少ないであろう文化を愛し、それを人々に伝えようというかけがいのない場所だと思います。先進国でこれほど文化芸術の分野の地位、大切さが軽んじられている国は日本くらいでしょう。
そういった中でも民間の企業や団体が良心的、かつとても重要な事をなさって下る国でもある。こうした企画をしてくださる側、演奏する側、それを楽しみ心から応援してくださるお客様の三位一体がなければ文化の火は消えてしまいます。
このコロナ禍が早く収束し、またここに文化的な集いが大きく花開く日が来ることを願っています。 石井彰 」
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