【11/14 袴田麻純ピアノリサイタルin gala 】
ポーランドで研鑽を積まれた袴田麻純さんによる、ショパンの足跡をたどるプログラム。
華やかなものから、感傷的な名曲までの幅広い選曲は、ショパンの才能を改めて感じさせるものとなっていた。
中間には、ショパンが晩年を過ごしたフランスから、ドビュッシーとラヴェルの曲が取り上げられた。
印象派の絵画と音楽の深い関係を、それぞれの色を活かした絵画の手法から感じ取れるという内容の解説には、驚くとともに深く頷いた。特にベーゼンドルファーは音域ごとの音色の違いが魅力であり、その点でもフランス物とベーゼンの相性の良さを感じた。
全体を通して、エネルギッシュな演奏に彼女の想いの深さを感じた。 ショパンに対して個人的には熱量の高い曲でもどこか軽やかさを感じていたので、今日の演奏は新鮮味のあるショパンだった。
今回とても印象的だったのは、ショパンを弾きながらベーゼンの放った深い響きに幸せそうな表情を浮かべる姿。 彼女の奏でる、低音の包容力ある音色を感じながら聴くショパンの旋律は、秋深まる夕暮れ時に心地よく響き渡った。
遠州で欧州を感じる、をモットーに活躍されている袴田さん。これから年を重ねながら、より円熟味を増した欧州の風と、彼女にしか出せない遠州☓欧州の溶け合った唯一無二な響きを私たちに届けてほしい。 (文責:M)
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